ダッフルコートは、北欧の漁師たちが着用していた実用的なアウターを起源とする、機能性とデザイン性を兼ね備えたコートです。トグルボタンや大きなフードなど、特徴的なディテールが魅力的なダッフルコートは、メンズファッションの定番アイテムとして長年愛されています。本記事では、ダッフルコートの起源や特徴、選び方やコーディネートのポイントについて詳しく解説します。
ダッフルコートの起源と歴史
ダッフルコートの起源と歴史について解説します。
ベルギーの街「デュフェル」が由来
ダッフルコートの名称は、ベルギーの小さな街「デュフェル」に由来しています。この街で織られていた丈夫な毛織物が、ダッフルコートの原型となる生地として使われていました。デュフェルで作られた生地は「ダッフル」と呼ばれ、耐久性と防寒性に優れていたため、寒冷地での衣服に適していたのです。
北欧の漁師たちの必需品だったダッフルコート
もともとダッフルコートは、北欧の漁師たちが仕事着として着用していました。過酷な環境下で働く漁師たちにとって、防寒性と機能性は非常に重要でした。ダッフルコートは分厚いウール素材で作られ、体温を逃がさず、風や水しぶきから身を守ってくれました。また、大きなフードやトグルボタンなど、漁師たちの作業を妨げない工夫が施されていました。
イギリス海軍に採用され一般化
ダッフルコートが一般に知られるようになったのは、第二次世界大戦中にイギリス海軍が制服として採用したことがきっかけです。海軍士官のバーナード・モントゴメリー提督が愛用したことで、ダッフルコートは「モンティコート」とも呼ばれるようになりました。
戦後、軍服としてのダッフルコートは、一般市民の間でも人気を博し、メンズファッションの定番アイテムとして定着していきました。
ダッフルコートの特徴と魅力
ダッフルコートの特徴と魅力について解説します。
象徴的なトグルボタン
ダッフルコートを特徴づける最も象徴的なディテールが、トグルボタンです。トグルボタンは、革やウッドなどでできた楕円形のボタンに、ループ状の紐を通して留める仕組みになっています。手袋をしたままでも簡単に着脱できるよう考案されたトグルボタンは、ダッフルコートの実用性を物語るアイコン的な存在です。また、トグルボタンはコートの表情を引き締め、ダッフルコート特有の雰囲気を醸し出しています。
手袋をしたままでも使えるポケット
ダッフルコートには、両サイドに大きなパッチポケットが付いているのが一般的です。これは単なるデザイン上の特徴ではなく、手袋をしたままでも手を入れられるよう配慮されているのです。北欧の漁師たちが、作業中に手を温められるようにと考案したポケットは、今でも防寒性と利便性を兼ね備えた機能として評価されています。
防寒性を高めるフード
ダッフルコートの多くには、大きなフードが付属しています。このフードは単なる装飾ではなく、防寒性を高める重要な役割を果たしています。首元から頭部まで覆うことができるため、体温の放出を抑え、冷たい風から身を守ってくれます。また、フードのボリューム感は、ダッフルコートのカジュアルで親しみやすい雰囲気を演出する効果もあります。
風の侵入を防ぐチンストラップ
ダッフルコートの襟元には、チンストラップと呼ばれる留め具が付いていることがあります。チンストラップは、風の侵入を防ぎ、首元を温かく保つ役割を果たします。これは、海上で働く漁師たちが、強風から身を守るために考案した工夫の一つです。現代のダッフルコートでは、チンストラップは必ずしも必須ではありませんが、防寒性を重視する人にとっては魅力的な機能と言えるでしょう。
撥水性のあるストームパッチ
ダッフルコートの肩から背中にかけては、ストームパッチと呼ばれる補強布が縫い付けられていることがあります。これは、雨や雪などの水分が染み込むのを防ぐための工夫です。漁師たちは、波しぶきや雨に晒される過酷な環境で働く必要があったため、ストームパッチは実用的な役割を果たしていました。現代のダッフルコートでは、ストームパッチは防水性と耐久性を高める役割に加え、デザイン性にも一役買っています。
ダッフルコートの選び方とコーディネート
ダッフルコートの選び方とおすすめのコーディネートについて解説します。
着回しやすいベーシックカラー
ダッフルコートを選ぶ際は、まず色選びが重要です。定番色であるネイビー、キャメル、グレーなどのベーシックカラーは、様々なスタイリングに合わせやすく、長く愛用できるでしょう。特にネイビーは、ダッフルコートの代表的な色であり、男女問わず人気があります。
ベーシックカラーのダッフルコートは、カジュアルからキレイめまで、幅広いコーディネートに活用できる万能アイテムと言えます。
すっきり着こなせるミドル丈
ダッフルコートの丈は、ショート丈からロング丈まで様々ですが、初めて購入する方におすすめなのはミドル丈です。ミドル丈は、膝上から膝下あたりまでの長さで、バランスの取りやすい丈感です。
スキニーパンツやレギンスなどのタイトなボトムスと合わせると、すっきりとしたシルエットを演出できます。また、ミドル丈は、ショート丈よりも防寒性が高く、ロング丈よりも動きやすいため、日常使いにぴったりです。
トレンドを取り入れたロング丈
ロング丈のダッフルコートは、トレンド感があり、ファッション性の高いアイテムです。膝下からくるぶしあたりまでの長さがあるロング丈は、縦のラインを強調し、スタイルアップ効果が期待できます。
ワイドパンツやロングスカートと合わせることで、今年らしいリラックス感のあるコーディネートが楽しめます。ただし、ロング丈はミドル丈よりも重く、動きにくいため、シーンに合わせて選ぶのがおすすめです。
定番のウールメルトン素材
ダッフルコートの素材は、伝統的にウールメルトンが使われています。ウールメルトンは、ウール100%または、ウールにナイロンやカシミアを混紡した厚手の生地です。ウールメルトンは、保温性に優れ、風を通しにくいため、寒い日のアウターに最適です。
また、ウールメルトンは、耐久性が高く、長年愛用できるのも魅力の一つです。定番素材のウールメルトンを選べば、間違いのない選択と言えるでしょう。
キレイめスタイルにも合うダッフルコート
カジュアルなイメージが強いダッフルコートですが、キレイめスタイルにも合わせることができます。キレイめな着こなしにダッフルコートを取り入れるなら、ミドル丈のものを選ぶと良いでしょう。ダッフルコートの下には、シャツやタートルネックなどのキレイめトップスを合わせ、ボトムスにはテーパードパンツやスキニーパンツを合わせるのがおすすめです。
シューズは、ブーツやレザーシューズなど、キレイめなアイテムを選ぶと全体のバランスが取れます。大人っぽさと可愛らしさを兼ね備えたダッフルコートは、様々なスタイリングに対応できる優秀アイテムと言えるでしょう。
おすすめのダッフルコートブランド
最後に、おすすめのダッフルコートブランドをご紹介します。
老舗ブランドのクラシックなダッフルコート
老舗のアウターブランドが手掛けるダッフルコートは、クラシックなデザインと高い品質が魅力です。伝統的なスタイルを守りつつ、現代的なエッセンスを取り入れたダッフルコートは、長く愛用できる一着となるでしょう。老舗ブランドのダッフルコートは、素材や縫製にこだわりがあり、耐久性と防寒性に優れています。クラシックなダッフルコートを探している人には、以下のような老舗ブランドがおすすめです。
これらのブランドは、伝統的なダッフルコートのデザインを守りつつ、現代的なエッセンスを取り入れています。
モダンなデザインが魅力の人気ブランド
近年、モダンなデザインのダッフルコートを展開するブランドが人気を集めています。シンプルなシルエットに、トレンド感のあるディテールを取り入れたダッフルコートは、今どきの着こなしにぴったりです。カラーバリエーションも豊富で、従来のベーシックカラーに加え、トレンドカラーを取り入れたものもあります。ファッション感度の高い人におすすめのブランドと言えるでしょう。
これらのブランドは、シンプルなシルエットにトレンド感のあるディテールを取り入れたダッフルコートを提案しています。
コムデギャルソンについてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
コストパフォーマンスに優れた普段使いにぴったりなブランド
価格帯が手頃で、コストパフォーマンスに優れたブランドのダッフルコートは、普段使いに最適です。リーズナブルな価格ながら、品質や機能性にもこだわったダッフルコートは、デイリーユースにぴったりです。カジュアルに着こなせるデザインが多く、学生から社会人まで、幅広い年齢層に支持されています。手頃な価格で、おしゃれなダッフルコートを探している人は、コストパフォーマンスに優れたブランドをチェックしてみてください。
これらのブランドは、比較的リーズナブルな価格帯で品質の良いダッフルコートを提供しています。
まとめ
ダッフルコートは、北欧の漁師たちが着用していた実用的なアウターを起源とし、防寒性と機能性に優れたコートです。象徴的なトグルボタンやフードなど、特徴的なディテールが魅力的なダッフルコートは、カジュアルからキレイめまで、様々なスタイリングに活用できる万能アイテムです。
ベーシックカラーやミドル丈のダッフルコートを選べば、長く愛用できる一着となるでしょう。老舗ブランドからトレンド感のあるブランドまで、幅広いラインナップから自分に合ったダッフルコートを見つけてみてください。
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